妹背の滝で有名な大頭神社(おおがしらじんじゃ)様の本殿外部の木部をエアー鉋による常若施工をさせていただきました。
綺麗な滝で有名な立地で本殿横に川が流れ、反対面には山水が湧いている岩壁があり、木造建築物にとっては好ましくない湿気の多い環境にあります。そのためカビやコケが非常に多く、部分的に木が腐朽菌により腐り始めている部材もあり、とても良好とは言えない状態でした。
また本殿は築50年ほどで樹種は檜を多く使われておりましたが、檜とは分からないくらい傷んでいるように見えました。しかし実際に施工してみると傷みは表層だけにとどまっていたため、施工前とは見違えるほどとても美しく蘇りました。
これは国宝などの木造建築物の大規模改修は5〜60年ごとにされていることが多いことからも、50年くらいで一度メンテナンスされるのがより良い状態を維持できる年数の目安なのかもしれません。
この度のエアー鉋施工で、腐朽菌やカビ・コケを除去後は、ホウ酸処理を行い、乾燥後にキシラデコールを塗布させていただきました。(詳しくはホウ酸処理の事例でご紹介させていただいております。)
これからは5〜10年ごとの簡易のメンテナンスでこの状態を維持していただければ、大きな費用はかからずに後世に繋いでいけるものと想います。
由緒ある神社様の本殿のメンテナンスに携わらせて頂き誠にありがとうございました。