お寺様の室内ホールの床と本堂に繋がる階段を常若施工させていただきました。
ホール室内全体を改修工事をされる中でご依頼をいただきました。改修工事工程の関係で天井・壁クロスの張り替えが完了し、据付のカウンターが撤去され、引渡しが終わってからの施工になりましたので、傷つけないように細心の注意が必要な難しい現場でした。
床は檜木で、クリア塗膜やコーティングが何度か塗られ剥がれた箇所もあり、それに加えカーペットを敷いてた箇所、撤去したカウンターの跡など日焼け具合は様々。
予想していた以上に塗膜が硬く、日焼けの変色も深く、難しい仕事でしたが、苦労の甲斐があり塗膜等すべて除去し無垢の檜木が現れ、部屋中に檜木の香りが立ちこめました。眠っていた木材が息を吹き返した、そんな想いがしました。
もし常若施工と出会わなければ、数ミリの薄い床材を上貼りする予定だったそうです。一昔前と違い良い木材は高価になり入手が難しくなっております。
そんな材を蘇らせることこそ歴史を繋ぎ、自然を守る大切なことではないでかとあらためて強く想います。
また常若施工の費用は上貼り工事費用と比べても大きく変わりませんでした。
また無垢が現れたことにより、木は呼吸しますので調湿効果があり、日本の気候に合って過ごしやすい空間になることと思います。何より裸足で歩いた時の気持ち良さが私は大好きです。
また階段・高欄は、無塗装で日焼けや汚れで変色しておりましたが、エアー鉋でみごとに蘇りました。
エアー鉋は粉塵が出ますが最後の写真のようにしっかり養生をして行えば室内でも可能です。
樹種は松なので少し赤味がある仕上がりになります。
施工後に床・階段ともにクリアの含浸系木部用自然塗料を塗布させていただきました。これにより撥水効果だでき汚れにくくなり、紫外線から守る効果があります。
永久的な効果ではありませんが3〜5年ごとに部分的なメンテナンスをすればこの状態を永く維持できることと想います。
(1つ目と5つ目のAFTERの写真が塗装後で、その他塗装前の写真になります)